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被害妄想

● 症状

実際にはそうではないのに、誰かから嫌がらせをされたり、バカにされたり、危害を加えられたりしているなどと確信することの総称。統合失調症や妄想性障害などでよくみられる症状です。

被害妄想はしばしば怒りや不満、刺激に対する過敏さを伴っています。そのため、周囲の人を敵であると思い込み、相手を攻撃することがあります。殴ったり、怒鳴ったりするほか、妄想の相手を裁判に訴えることまであります。そのため、人間関係に支障をきたし、職を失ったり、家族から見放されたりする患者さんもいます。

 

被害妄想には、さまざまな種類があります。

例えば、誰かから迫害されていると思う迫害妄想、対人関係において不愉快なことをされていると思う関係妄想、配偶者やパートナーが浮気をしていると思う嫉妬妄想、誰かから監視されていると思う注察妄想、ものを盗まれると思う盗害妄想などが挙げられます。

 

このうち、特に多いのは関係妄想です。身近な人やたまたま居合わせた人の何気ない行動を、自分に対する嫌がらせや攻撃と捉えます。例えば、レストランで隣になったお客さんが、自分をみてクスクス笑っていると信じ込むことがあります。会社の同僚が廊下ですれ違ったとときに睨んでいると感じ、自分を陥れようとしているに違いないと確信することもあります。

 

他に、迫害妄想もよくある被害妄想です。他のタイプの被害妄想よりいっそう被害感が強まったもので、何者かが自分に放射能をかけている、悪い組織の陰謀に巻き込まれているなどと信じます。迫害の対象が拡大して「町ぐるみで嫌がらせをしてきている」と発展することもあります。また、自分の考えや行動は何者かによって操られていると思う「させられ体験」(作為体験)が伴う人もいます。

 

● 他の病気との関係

被害妄想は妄想性障害の典型的な症状です。その場合は、関係妄想や嫉妬妄想がよくみられます。また、統合失調症では特に発症年齢が高い人において、被害妄想がよく生じます。他に、精神遅滞、薬剤性精神病、てんかん、認知症、覚醒剤中毒やアルコール使用障害などにも被害妄想が伴うことがあります。 難聴者、ろうあ者、言葉の通じない外国移住者など、周囲と意思疎通が図りにくい状況において迫害妄想がみられることも報告されています。

 

● 原因

被害妄想の発生には、性急な結論バイアス(少ない情報ですぐに結論を出してしまうくせ)や、何かを強く信じやすい、思い込みが激しいなどの認知の障害が関係していると考えられています。

 

● 治療

精神科において、被害妄想の原因となっている精神疾患を治療します。薬物療法や認知行動療法などを行います。

 

※参考文献

『現代精神医学事典』(弘文堂)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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